HISTORY

特殊メイクだからこそ
できることを

特殊メイクだからこそできることを

2007年、メイクアップディメンションズは創立20周年を迎え、スタッフも創立時から在籍する勤務歴
20年以上のベテランから、20代若手まで揃ってチーム力も充実してきました。
「社内結婚」する人も出てきたのもチーム力のたまものでしょうか。

2008年、日活スタジオにあった会社を、東宝スタジオに移転しました。完全移行の2年ほど前は、
日活と東宝の2カ所で活動していましたが、利便性から1カ所にまとめることとなったのです。

最初は、東宝スタジオの旧本館(昔のオフィスビル)で活動し、現在は、「モスラ」の壁画が描かれた建物に
移転しています。なお、移転を機に、展示ルーム兼会議室を設け、実際の作品を見ながら打ち合わせや、
取材対応ができるスペースも作りました。

映画のお仕事では、多数の妖怪たちが登場し、まさに造形の真骨頂ともいえる『ゲゲゲの鬼太郎』(2007)、アカデミー賞外国映画賞を受賞した『おくりびと』(2008)など、いろいろなお仕事を
担当させていただきました。

納棺師を主人公とした『おくりびと』では「ご遺体」をダミーで作りました。死に化粧を施すシーンでは、生身の俳優さん本人が演じると、どうしても少し動いてしまいます。しかし、不自然な造形物では白けて
しまいます。リアルで、ずっしりと重みがあるご遺体を作るのは苦心しました。

後に、映画をご覧になった方から「え、あのシーン、本人じゃなくてダミーだったの?全く分からなかった」といわれることが多く、うれしく感じます。
この言葉は、私にとって最高の誉め言葉です。

このように、特殊メイクでなくてはできない仕事は、そう簡単にはなくならないと思います。
比較されることが多い、CGも素晴らしい技術ですが、良い悪いという意味ではなく、
「もの」があるとやっぱり質感が違います。CGの技術はどんどん向上していますが、
特殊メイクと「共存」の時代が続いていくものだと思っています。

監督さんから「ここはやはり、江川さんじゃなきゃダメ」とご依頼を受けるのはやはりうれしいことですね。