特殊メイクアップアーティスト・江川悦子の歩み
出発点
編集者としての第一歩
出版社でファッション系雑誌の編集に携わる。
女性中心の職場で、働く姿勢やチーム運営を学び、「編集長になるか、パリ支局勤務もいいな」と将来を描く。
人生の転機
渡米、ロサンゼルスへ
結婚3年目、夫の突然のアメリカ赴任が決定。
仕事を辞め、未知の世界へ。
「アメリカで何か新しいことを始めて仕事にしたい」という漠然とした思いを胸に、異国での生活が始まる。
出会いと
ひらめき
特殊メイクとの遭遇
映画『狼男アメリカン』に衝撃を受け、特殊メイクの世界へ足を踏み入れる。
Joe Blasco Make-up Centerにて専門知識を学び、卒業後は無給インターンからキャリアをスタート。
『砂の惑星』『ゴーストバスターズ』『キャプテンEO』などに参加し、本場ハリウッドで腕を磨く。
師との出会い
リック・ベイカーの工房へ
憧れの特殊メイク界の巨匠、リック・ベイカー氏に出会い、ついに工房へ参加。
現場での経験と師からの学びが、特殊メイクアップアーティストとしての礎となる。
再出発
日本での仕事づくり
帰国後、調布・日活撮影所に作業場を設け、映画『親鸞・白い道』で日本初の仕事を受注。
特殊メイクの認知度が低い中、営業・制作・育児を一人でこなす日々が始まる。
創業
メイクアップディメンションズ設立
個人事業から法人化。映画・CM・舞台などジャンルを問わず、特殊造形を幅広く提供。
『スウィートホーム』など、大規模プロジェクトにも参加し、チームでの制作体制を構築。
転機ふたたび
二度目の渡米と育児
再び夫の転勤で渡米。仕事から一歩離れ、娘との時間を優先。
アメリカ文化に触れながら、自らの価値を見直す時期に。
新たな舞台へ
教育・メディア出演
NHK『課外授業 ようこそ先輩』出演がきっかけで、自らもCM出演。
東京ビジュアルアーツなどで教育にも注力し、次世代の特殊メイク人材を育成。
教え子と共に現場で再会する喜びを知る。
さらなる発展
東宝スタジオへ移転
東宝スタジオへ拠点を移し、展示ルームも併設。
映画『ゲゲゲの鬼太郎』『おくりびと』など話題作で高い評価を受け、特殊メイクの存在価値を広く伝える。
評価と展望
受賞と新たな挑戦
- 2015年 東京スポーツ映画大賞 技術スタッフ賞
- 2017年 文化庁映画賞、全国映連特別賞
- 2018年 日本アカデミー賞 協会特別賞 ほか
- 2022年 芸術選奨映画部門 文部科学大臣賞 受賞
- 2024年 第75回 NHK放送文化賞
賞を受けることで、これまでの仕事が評価されたことを実感。
一方で、特殊メイクの可能性は今も広がり続けている。
3Dプリンタや医療、AIロボットなど、新領域との融合を模索中。









